CASE STUDY

21.01.31 広島タワーマンション F様邸①

こんにちは。

先日広島の中心部に建つタワーマンションの一部屋の、インテリアコーディネート(家具・家電・雑貨のセレクト)を担当〜納品させていただきました。

初めて拝見させていただいた時には、すでに内装は出来上がっておりましたので
今回はそちらの床・壁・天井、その他住宅設備や照明に合わせて配置させていただいたものになります。
(一部のペンダント照明やブラケットはこちらで設置させていただきました。)

その他、ご予算の制限だけいただきまして、出来上がったインテリアがこちらです。

 

こちらのLDK、いかがでしょうか。

かなりシンプルにしておりますが、上質なものや心地の良いもの、長く使っていただけそうなもの、価値が落ちないであろうものを中心に仕上げました。

しかし、小物類は季節にやその時のトレンドにも応じて買い替えも効くように比較的手軽なものを。

私が見て触って、本当に『良いな』と思ったものだけをセレクトしました。

まずLDKに入った時に真っ先に目に飛び込んでくるのが、こちらのソファ。

イタリア最高級のPoliform(ポリフォーム)というインテリアデザインブランドの商品で、日本のではアクタスさんが取り扱いをされております。

その中のMondorianというソファを贅沢に2つ組み合わせてL字型に配置しました。
(アクタスさんの商品紹介ページはこちら

このソファを選んだ理由としては、まず初めてこちらを見た時にすごくカッコ良くて私が一目惚れしてしまった(笑)のと、この背もたれの低さ、そして淵部分の仕上げの綺麗さです。

(実は発注する直前までは全く別のソファを考えていましたが、あまりの美しさに驚いて、急遽方向性を変えました。笑)

背もたれの部分がなぜ低いものがよかったかというと、視界に入るこの景色をしっかり生かしたかったからという理由です。

実は全体の空間をあくまでシンプルに仕上げた主な理由が『景観の最大価値を高めたい』ということでした。

広島のタワーマンションと言ってもいくつかありますが、かなり見晴らしの良いこの物件。
全ての周りの建物がまるでCGのように、でも穏やかに、まるで絵画のように映っていました。

その景観を崩さず、主張しすぎない、だけど上質で品がいいものを。

住まわれる方にとっていつまでも愛されるよう、コーディネートしました。

またこちらの生地に関しても、景観に調和し、かつ少しの光沢感がとても上品で柔らかさもある、
耐摩耗性も程よく備えている(摩耗性の目安になる数値をマーチンデールと言います。数値が高いほど耐摩耗性に優れています。)生地を採用しました。
※天然素材100%のものになるとどうしても耐摩耗性が少なくなってしまいまうので程よく混合されたものが手入れも楽でおすすめです。

脚に関しては少しエッジの効いたようなデザイン。
だけどアイレベルを下げないとあまり見えてこない低さにあるデザインなのであくまでさりげなく、空間に調和してくれています。

中のウレタンは積層ではなく、成形ウレタンのため、エッジのラインがとても美しく出ています。
また成形ウレタンのため形崩れもしにくく、一生を通してお使いいただけるようなソファになっています。
海外デザインのソファらしく、しっかりとした奥行きも兼ね備えているため恰幅の良い男性にもゆったりと奥深くまで腰をかけていただけます。

と、まぁかなり熱く語ってしまいましたが、本当に一目惚れしたこちらのソファ。

主張は控えめではあるものの、この空間の主役です。

そちらのソファと組み合わせたラグがJABのディライトラグ。
JABとは、現在80ヵ国以上に販売拠点を有している、ヨーロッパを代表するファブリックメーカーです。
これもまた、発色がめちゃくちゃ綺麗。
あまり国内・海外とは言いたくありませんが、やはりカラーの美しさは海外に一票ですね。圧巻です。
そしてこうしたラグは主に靴でも使用できるように設計されていますので、持ちもかなりいいです。

 

その他向かいには通常『シェルチェア』とも呼ばれるカールハンセン社の『CH07』。
(シェルチェアというとハーマンミラー社のイームズチェアを思い浮かべる方もいますが、こちらもシェルチェアです。)

Ch07は私がかつてインテリアのセレクトショップで働いていた際に出逢った、ハンス・J・ウェグナーの代表作です。

その名の通り貝の殻を彷彿とさせるような斬新なデザイン。
しかしそこからは想像がつかないようなゆったりとした座り心地。
成形合板によりできた滑らかなラインは見る角度がどこからでも美しく、椅子の『表と裏』という概念を覆します。
(椅子は後ろからの角度から見ることも多いため、背面が正面である、という考えもあります。)

シンプルな美と機能美を追求し続けたたウェグナーだからこその作品です。
このチェアに腰を深くまで掛けて、脱力できる瞬間が好きです。笑

そしてダイニングへ。

ダイニングは見たことある!って方が多いのではないか、と思いますが
シャンデリアとしてFLOSの2097/50を。

半世紀以上前に発表されている照明ですが、現在でも色んな地域で愛されているのはやはりそのシンプルさに尽きるのかなと思います。
ジノ・サルファッティのイタリアンモダンな精神がとても宿っていますよね。

ちなみにこちら、プロの方にお願いして設置していただきましたが・・50灯あるのと、コードから電球まで分離している状態で届くのでかなり取り付けが大変そうでした。

本当に頑張っていただきました。ありがとうございます。

そして、その下にあるダイニングテーブルにもまたこだわりがあり。
RimadecioのMantaという名のダイニングテーブル です。

元々モダンリビングという雑誌で取り上げられておりましたが、すっかり忘れておりまして。
偶然南青山を散策していた時にESTILEさんの前を通り、めちゃくちゃ気になって勇気を持って入ったらまさかのRimadecioの商品が。

それからというものの、とっても大好きなショールームになり東京に行くたびにお邪魔しているのでは(笑)と思うくらい。

その中でも一際異彩を放っていたのがMantaテーブルでした。

脚のデザインももちろんそうですが、天板の曲線がとても滑らかに繋がり、空間の雰囲気を優しく演出してくれるテーブル。

天板のカラーと脚の色を迷いましたが、透過性のないマットなブラックに、光りの粒子が細かいシルバーを選択しました。

ダイニングチェアにはリビングハウスさんの新作Loveチェア。
ここではあえてトレンド感を取り入れたいと思い、ベルベッド調の生地で雰囲気を出しました。

あとは、ラグと連続性を持たせるために同じくブルー系の色をチョイス。

なぜラグもチェアもブルー系にしたかというと、キッチンの天板やアイランドの面材がブルーやグリーン系の深みのあるグレーのものが設置されていたので、全体的にブルーベースになるよう、また瀬戸内海や景観を楽しんでいただけるよう、ここでも目に優しいブルーで統一しました。

あとは、小物をグラデーションになるように配置。
クッションカバーやプレースマットにもブルーを取り入れました。

 

 

 

「21.01.31 広島タワーマンション F様邸②」へ続く

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