CASE STUDY

20.12.05 尾道古民家再生 K様邸

こんにちは。

2020年も本日で終わろうとしておりますが、いかがお過ごしでしょうか。

2020年に担当させていただきましたインテリアコーディネートの物件ですが、なんと30件を超えることができました。
ご縁をいただきました方、本当にこの一年ありがとうございました。

中にはなかなか事例としてご紹介できないものもあるものの、許可いただきました尾道の物件をこの度ご紹介させていただきます。

 

尾道、というとみなさま何を思い浮かべられますでしょうか。

尾道は菊池の故郷でして、かなり思い入れがあります。
行ったことない方も『尾道ラーメン』や『坂のまち』『猫のまち』『映画のまち』、最近で言うと『サイクリングのまち』としてご存知の方も多いのではないでしょうか。
もちろんそんな小さな港町ではありますが、近年古民家再生の事業も活発化しており、お洒落なカフェや雰囲気のいい雑貨屋さんなどが立ち並んでおります。
(私が高校生のときはそんなことなかった・・笑)

そんなまちの一角、海岸沿いから少し坂を登った位置に、今回の物件はあります。

こちらの建物はかなり古い建物で、実は尾道三部作と言われる1983年公開の映画『時をかける少女』の舞台にもなった『タイル小路』と呼ばれる場所です。

こちらの映画の監督の大林宣彦監督は残念ながら今年の4月にお亡くなりになられたのですが、その後もファンの方々がこちらにカメラを持ってこられておりました。

さて、本題の物件ですが。

大田設計事務所の大田さんと、電気設備は優司営繕の方々と一緒にお仕事させていただきました。

私が入らせていただいたのは工事が始まってからだったのですが、全体が天井以外国産の杉材でできている贅沢な空間でした。

ちなみにこちらがビフォーです。

大きな梁は昔のまま、生かされています。
そして、窓の外は綺麗な尾道の景色!!

正直始めにいただいていた図面より、この時点で結構(間取りも窓のサイズも)変わっていてびっくりしました・・
やはり現地調査は大切ですね。

当初計画していたものを実際入れるべきか、搬入経路的にも入れられないものは何か、この時点で計画し直しをさせていただきました。

施主様ご要望の条件である、
・永く使う前提でいいもので構成して欲しい
・ベーシックで落ち着いた空間に、だけども遊び心を
・アートなど新たに飾ってもいい空間に
・若者にもウケる空間に

そして出来上がったものがこちらです。

こんな感じに仕上がりました^^

まず、広いスペースは芸術・美術・演劇など興味のある方に解放される公共のスペース、奥の部屋はプライベートスペースとのことで居室空間に。

広いスペースも寛ぎの空間と作業する空間に分けて見ました。

分けたと言ってもあくまでフレキシブルに、
様々な使い方ができるように意識しました。

広島県福山市に工場がある、心石工芸さんのソファです。
柔らかすぎず、硬すぎず。ちょうどいい硬さのへたりにくいソファ。
こちらのメーカーさんは元々革製品の会社ですが、現在はソファを中心に作られておりバネやウレタンにもかなりこだわりを持ってらっしゃいます。
足元は掃除がしやすいよう解放されたものにし、生地もオールシーズン使えるさらりとした生地を採用しました。

高さも低いので、お部屋に開放感をもたらしてくれます。
ソファはオットマンと分割なので、こちらもフレキシブルなポイント。
手前に持ってきても。写真のように横に並べてもお使いいただけます。

飛騨高山にある柏工芸さんの『シビルチェア』。
ツートンがとても可愛らしく、ポイントになっています。
ファブリックには爽やかなホワイトをチョイスしました。
ラグはスミノエさんにてサイズオーダーをさせていただき、淡いブルーで柔らかさを出しました。

ダイニングテーブル は床材と合わせてかなり厚みのある杉の木を贅沢に。
耳付きの仕様でさらに自然の風合いを強めました。
福岡県の大川にある工場にて制作していただきました。

木目が陽の光に照らされてとても綺麗です。

ダイニングテーブルの脚はアイアンで木が持つ独特の重たさを軽減しました。

また、ダイニングチェアには飛騨高山にある柏工芸さんの『クラウンチェア』のブラック塗装のものを。

こちらは、17世紀後半よりイギリスにて生産されてきた『ウィンザーチェア』のデザインを踏襲したもの。
時を超えて、国境も超えて、長年愛されるチェアに国産の技術や日本人にあうサイズ感をプラスしたものをセレクトさせていただきました。

わざわざブラック塗装をお願いしたのは、周りの家具とも調和できるように。クラフト感よりも少し綺麗でモダンな印象にしたかったからです。

また、ダイニングテーブル上の照明は色付きのガラスでできたアートワークスタジオさんのペンダントライトを3灯。

バラバラなシェイプにし、抜け感・遊び心を出しました。

 

そのほか、1人でゆっくり寛げるチェアをご用意しました。

こちらも福岡県大川市にて作られているチェアです。

会議などを開かれる際にも、登壇者が座れるようにしております。
角のあるデザインで、先に向かうごとに細くなっているのですっきりとして見えます。
ハイバックで深くまで腰掛けてゆっくりと読書などもしていただけます。

小物も拘っております。

時計も視認性の良い渡辺力さんデザインの掛け時計です。

どこか懐かしくもモダニズムを感じるデザインです。

サイドテーブルにもなるスツールはArtekさんの『スツール60』の3本脚。
カラーはscopeさんのオリジナルカラーです。
また、右上にある蛇腹状の照明はどこにでも持ち運べる『アコーディオンランプ バンブー』。

アートはミヤタさんのアートをオーダーでお願いしました。
タイル小路らしく、施主様の大好きな猫と本をモチーフにした作品に。
とても素敵です。

フレグランスディフューザー ピルボトル

ファム GLASS フラワーベースラウンデッド

フレグランス ディフューザー ビークボトル

小物各種に関しては、ライフスタイルショップHueにて取り扱いの商品も多いので、よかったら覗いてみてくださいね^^

さて、随分とご紹介が長くなりましたが、いかがでしたでしょうか。

2020年は私にとって大きく変化した一年だったように思います。

コーディネーターの試験に始まり、内外装のコーディネートを担当させていただき、担当物件もいくつか年内に建ってきて達成感も出てきました。

お客様お一人ずつにまっすぐ向き合って、一緒に考えて、心地よい空間作りが少しでもできましたでしょうか。

まだまだ設立第二期。そんな弊社に成長の機会をいただけましたお取引先様、ご縁を繋げてくださった方、実際に依頼をしてくださった顧客様。
感謝してもしきれません。

ありがとうございました。

2021年ももっと素敵な空間作りができるよう、精進して参ります。

これからも何卒よろしくお願い致します。

良いお年をお迎えください。

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